自社でオウンドメディアを作ろうとした時こんな悩みが出てきませんか?
「オウンドメディアを作りたいけどやり方がわからない」
「オウンドメディアに割く人材と予算が足りない」
このような悩みを持つ企業が多いのが現状です。
近年、オウンドメディアを運用している企業が増えています。目的によってオウンドメディアが担う役割は様々ですが、運用が軌道に乗れば企業にとって大きな強みになります。
この記事では、オウンドメディアの作り方と運用していく上での注意点を解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
オウンドメディアの作り方【事前準備】
効果のあるオウンドメディアを作るためには、事前準備をしっかりすることが大切です。
ですが、事前準備の段階で何をすればいいのかわからない人も多いのも事実です。
ここからは、効果のあるオウンドメディアを作るための事前準備について解説していきます。
①目的を明確にする
まずは、オウンドメディアを運営する目的を決めます。
目的を明確にせずにオウンドメディアを制作していくと、オウンドメディアの方向性がぶれてしまい、ユーザーに伝えたいことが伝わりません。
ユーザーに自社の魅力を伝えられなければ、オウンドメディアを作成する意味が曖昧になってしまいます。
なので、はっきりした意図がなく制作していっても成果は出ないので、まずは目的を決めましょう。
オウンドメディアを作成する目的は主に以下の4つです。
- 新規リードの獲得
- 企業のブランディング
- Web上での売り上げ獲得
- 採用力の強化
この目的の中から、1つか2つに目的を絞りメディアの方向性を定めましょう。
②KPIを設定する
KPI(Key Performance Indicators)とは、「重要業績評価指標」を意味します。
簡単にいうと、ゴールまでのプロセスにおける「中間目標」のようなものです。
例えば、オウンドメディアの運用目的を、新規リードの獲得だとします。
そして、「月に○件のリードを獲得する」という目標を立てます。
この中間目標がKPIです。
KPIを設定せずにオウンドメディアの運用を続けてしまうと、運用がうまくいっているのか、うまくいっていないかの判断基準がないため、判断できなくなってしまいます。
そのため、オウンドメディアの目標に基づいたKPIを設定しましょう。
③内製か外注か決める
オウンドメディア制作を「内製」か「外注」するかで、自社のとるアクションが大きく変わってきます。
「内製(自社運用)」とは、オウンドメディアを運営する企業に所属する人が記事コンテンツを制作する体制です。
一方で「外注」とは、自社では記事コンテンツ制作を行わず、外部のライターやコンテンツ制作会社に依頼をして、制作してもらうことです。
オウンドメディアで成果を出し続けるためには、定期的に記事を更新したり、記事のリライトなどを行なっていかなければいけません。
そして、この定期的なメンテナンス作業に必要な人員や予算を確保する必要があります。
オウンドメディアの規模や目標、予算などを考慮しながら内製でやっていくのか、あるいは外注するのかを決めていくことが大切です。
また、全部外注する場合もあれば、作業の一部だけ外注するという選択肢もあります。
オウンドメディアの作り方【サイト制作】
オウンドメディアを運営する目的やKPI、運営方法が決まったら、次は実際にサイト制作を始めていきます。
ここからは、内製と外注でのサイト制作についてそれぞれ解説していきます。
内製の場合
内製の場合、自社でサイトを制作していきます。自社で運用していくメリットは、コストを低く抑えられることです。
WordPressというブログを作れるサービスを利用している企業も多く、WordPressを利用する場合はサーバー代とドメイン代の月額数千円で運用できます。
内製のデメリットは、時間と労力がかかることです。自社で運用の負担を担うため、現在の業務に加えてサイトの運営をしていかなければいけません。
そのため、運営に割く時間や人材が確保できなければ、運営が困難になります。
さらに運営には専門的な知識やノウハウが必要になってくるので、自社にそのような人材がいない場合、継続的に運営してくのはハードルが高いです。
外注する場合
オウンドメディアの制作を自社だけで担えない場合は、外注することをおすすめします。
外注は自社運営よりもコストはかかるものの、しっかりと成果を出してくれる業者を選べば自社で運営するよりも高いクオリティが保証されます。
自社で無理にサイト制作に時間を割くよりも、目的を達成するために最適でスピーディーな手段を選択する方がよい場合もあります。
しかし、外注するとコストがかかってしまうので、ある程度予算のある企業しか外注はできないのも事実です。
自社の人材や予算を加味した上で検討しましょう。
オウンドメディアの作り方【記事作成】
オウンドメディアの記事作成の流れとして、以下の4つを紹介します。
- 対策キーワードを決める
- 検索意図を把握する
- 記事の構成を作る
- 対策キーワードを入れたライティングを行う
やみくもに記事を書いただけでは成果につながりません。
上記の流れを意識して記事を書いていきましょう。
①対策キーワードを決める
対策キーワードとは、ユーザーが検索するときに入力するキーワードのことです。
対策キーワードを決めることで、ユーザーのニーズや競合サイトの規模などを把握するできるため非常に重要です。
キーワードの決め方は下記から選びましょう。
- 検索ボリュームの多いキーワードを選ぶ
- CVR(コンバーション率)の高いキーワードを選ぶ
検索ボリュームとは
GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索された回数のことです。たとえば、1ヶ月で1000回検索されたキーワードのボリュームは、「1000」となります。検索ボリュームの大きなキーワードで上位表示できたら、多くのアクセス獲得につながります。
CVR(コンバージョン率)とは
Webサイト訪問者のなかで、購入や資料請求、お問い合わせなどの行動を起こす確率のことです。記事を読まれても成果につながらなければ意味がないため、CVR率の高いキーワード選定は非常に重要です。
②検索意図を把握する
「検索意図」とは、「ユーザーが何を知りたくて検索したのか」を意味します。
検索意図を把握するのは、記事を読んでもらう上でとても重要です。
「ユーザーが何を知りたくて検索したのか」を把握して記事を書ければ、ユーザーにとって役立つ記事になります。
例えば、「 SEO ライティング 方法」のキーワードで検索したユーザーがいたとします。そのユーザーは、ライターでSEOライティングの方法を知りたいから検索したと考えられるでしょう。
このように検索キーワードから、どんなユーザーが何の情報を求めているのかを考えることが、検索意図の把握につながります。
またユーザーから支持される記事は、Googleからの評価が高く検索結果の上位に表示されやすいです。
記事が検索結果の上位に表示されることで、ユーザーに記事を読まれやすくなります。
ユーザーの検索意図を把握する
↓
ユーザーの役に立つ記事になる
↓
Googleからの評価が高くなる
↓
検索結果の上位に表示される
上記からもわかるように検索意図を把握することは非常に重要です。
記事構成を作る
次に記事構成を考えていきます。
「記事構成」とは、「記事をどうやって書いていくのか」を決める骨組みのことです。
記事構成を作らずに記事を書き始めると、ユーザーが求めている情報とはズレた記事になる可能性があります。
まずは検索意図に沿った見出しを作りましょう。
あなたが今読んでいるこの記事の見出しは以下の通りです。
この記事の場合タイトルに沿って、「オウンドメディアの作り方」や「オウンドメディアの作成後の注意点」の大見出し(h2)が存在。
その下の小見出し(h3)に大見出し(h2)の具体的な内容が入ってきます。
このように記事を書き始める前に記事の骨組みを作ることが大切です。
対策キーワードを入れたライティングを行う
記事構成ができたら、実際に本文を書いていきます。
ここで重要なのが、「本文に対策キーワードを入れる」ことです。
対策キーワードを入れることは検索順位を上げる対策になります。
ただしキーワードを多く入れすぎるのはNGです。NGな理由は以下の通りです。
- ページがスパム扱いされGoogleからペナルティが課せられる
- ユーザーの利便性が損なわれる
本文に対策キーワードを過剰に詰め込むと、スパム扱いされてGoogleからペナルティを課せられる可能性があります。
具体的なペナルティの内容は、検索順位が下がったり検索結果に表示されなくなったりすることです。
また対策キーワードが多すぎると不自然な文章になり、ユーザーの利便性が損なわれます。
記事を書くうえで一番大切なのはユーザーの利便性です。
キーワードをたくさん入れたがために、ユーザーの利便性が損なわれると本末転倒なので、自然な形でキーワードを入れましょう。
オウンドメディア作成後の注意点
ここからはオウンドメディアを立ち上げ運用していく上での注意点を3つ解説します。
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 運営にコストがかかる
- 質の悪い記事だと逆効果になる
ではそれぞれの注意点を見ていきましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
オウンドメディアは長期的な視野が必要とされる施策です。
オウンドメディアの立ち上げ後は、検索エンジン(GoogleやYahoo!)からの評価が低いため上位表示されるまで時間がかかります。
質の良い記事を作り順調に運用しても、アクセス数が増えるのに半年〜1年程度かかるのが一般的とされています。
短期間で成果が出ないからといって、運用をやめてしまってはもったいないです。
地道に良い記事の発信を続ければ徐々にユーザーが増えいくので、長期的な視野でオウンドメディアを運用していくことが大切です。
運営にコストがかかる
オウンドメディアは立ち上げ時にもコストがかかりますが、運用していくのもかなりコストがかかってきます。
具体的には、サーバー維持費やコンテンツ作成・更新、サイト分析などのランニングコストです。
効果的なオウンドメディアを運用してくために十分なコストをかけていくのが理想と言えます。
ですが中にはオウンドメディアに十分な予算をかけれない企業も多いのが現状です。
自社の現状把握を徹底し、「内製でできること」と「外注が必要なこと」を分類して予算を見立てていくことが大切です。
質の低い記事だと逆効果になる
質の低い記事を掲載し続けていると、自社の信頼も落ちていく危険性があります。
ユーザーにとって役立つ記事や面白く興味をひく記事であれば、オウンドメディアの評価は上がっていくでしょう。
一方で、ユーザーのニーズを無視した宣伝ばかりの記事や利便性の低い記事ばかりだと、ユーザーは嫌悪感を抱き記事を読まなくなります。
自社の利益のために立ち上げたオウンドメディアが、自社の印象を悪くし足を引っ張る存在になりかねません。
ユーザーを第一に考えたコンテンツを作っていくことを意識しましょう。
【目的別】オウンドメディア成功事例12選
上記でオウンドメディアを運営する目的を4つ紹介しました。
- リードの獲得
- 企業のブランディング
- Web上での売り上げ獲得
- 採用力の強化
ここからは、目的別に実際のオウンドメディア成功事例を紹介していきます。
①リードの獲得
経営ハッカー/freee株式会社
「経営ハッカー」は、スモールビジネスをサポートする「freee株式会社」が運営するオウンドメディアです。経営者や個人事業主に向けた、「会計、経理、人事労務、税務、確定申告、給与予算、企業、会社経営」などの情報発信をしています。「クラウド会計ソフトfreee(フリー)」は、多くの個人事業主や中小企業が取り入れ、スモールビジネス向け会計ソフトのシェアNo.1となっています。
LIG/株式会社LIG
「LIG」は、 Web制作会社を中心にさまざまな業務を行う「株式会社LIG」が運営するオウンドメディアです。コンテンツ内容は、Webシステムの紹介やデザイン、AI、ITに関する記事など多岐に渡り、記事数は400記事を超えています。記事は高い頻度で更新されていて、新規・再訪のユーザーや読者ファンを意識しているのがわかります。
ferret/株式会社ベーシック
「ferret」は、webマーケティングサービスを展開する株式会社ベーシックが運営するオウンドメディアです。課題に合わせて企業に不足している要素を提供し、マーケティング施策の実行を促すサービスを行っています。オウンドメディアでは、BtoBマーケティングのノウハウを活用した有益な資料やセミナー情報、ブログを配信しています。
②企業のブランディング
Red Bull/レッドブル・ジャパン株式会社
「Red Bull」は、Red bullというエナジードリンクを販売しているレッドブル・ジャパン株式会社が運営しているオウンドメディアです。コンテンツ内容は、スポーツやエンタメ、F1などの一見エナジードリンクと関係のない記事が多いように見えます。しかしRed Bullは、アスリートや学生などの頑張っている人をターゲットにしているため、ターゲットの環境と重なるものを配信することで企業のイメージを押し上げています。
アマノ食堂/アサヒグループ食品株式会社
「アマノ食堂」は、アサヒグループ食品株式会社が運営するオウンドメディアです。アサヒグループ食品株式会社は、ベビー用品やシニア向け商品、フリーズドライ食品などを開発から販売まで行っている企業です。オウンドメディアでは、旬の食材を使ったレシピや料理家のコラムなどを配信しています。サイトトップに公式オンラインショップのリンクがあり、ブランディング強化だけでなくWeb上での売り上げ獲得にもつながっています。
となりのカインズさん/株式会社カインズ
「となりのカインズさん」は、株式会社カインズが運営するオウンドメディアです。「ホームセンターを遊び倒す」をコンセプトに、カインズで取り扱っている日用品や建築資材、アウトドアグッズなど幅広いジャンルの記事を配信しています。SEO記事と企画記事を融合したかたちでコンテンツを制作し、月間350〜400万PVを達成しています。
③Web上での売りげ獲得
北欧、暮らしの道具店/株式会社クラシコム
「北欧、暮らしの道具店」は、世界中のセレクト商品やオリジナル商品などを取り扱う株式会社クラシコムが運営するオウンドメディアの性質を持つオンラインショップです。トップページは「お買いもの」と「読みもの」のタグに分けられており、それぞれの目的で記事の内容が違っています。獲得したユーザーと長期的な関係性を育むことを重要視し運営しているため、96%のリピート率を実現しています。
日興フロッギー/SMBC日興証券株式会社
「日興フロッギー」は、証券会社であるSMBC日興証券株式会社が運営するオウンドメディアで、株に関する情報を発信しています。1200本以上のお金・投資に関するコラムが無料で公開されており、ユーアーは、「日興フロッギー」上でさまざまな企業を知り、興味を持ったら記事からそのまま投資ができる仕組みになっています。「記事から株が買える」という画期的な仕組みが売り上げにつながっています。
DOOR by ABC-MART/株式会社エービーシー・マート
「DOOR by ABC-MART」は、靴小売業大手の企業である株式会社エービーシー・マートが運営するオウンドメディアです。靴に関する情報をメインに配信し、カテゴリは「シューズ」「ファッション&ライフスタイル」「ハウツー&ノウハウ」「クローゼット」で構成されています。靴の記事だけでなくファッションやネイルなどさまざまなジャンルの記事を掲載することで、トレンドやオシャレに敏感なユーザーを集めて同社の靴に関心を持ってもらう目的があります。
④採用力の強化
On LINE/LINE株式会社
「On LINE」は、LINE株式会社が運営するオウンドメディアです。「On LINE」を運営する目的は求人採用で、ターゲットは求職・転職希望者です。新入社員の離職リスクを減らすために、「LINEでは、こうしてます。」をテーマにコンテンツの配信をしています。戦略担当者や勤務社員のインタビュー、紹介する事業担当者の話など、入社前から社内の雰囲気や業務内容を紹介することで離職リスクを減らしています。
CyberAgent Way/株式会社サイバーエージェント
「CyberAgent Way」は、メディア事業やインターネット広告事業などを手がける株式会社サイバーエージェントが運営するオウンドメディアです。「CyberAgent Way」では、サイバーエージェントが取り組んでいる事業や社員へのインタビュー、イベント情報などを配信しています。どんな社員が働いているのか、どんな取り組みを行っているのかを紹介しているところから、採用オウンドメディアであることがわかります。
チャーム・POINT/株式会社チャーム・ケア・コーポレーション
「チャーム・POINT」は、介護付有料老人ホームの運営を行う株式会社チャーム・ケア・コーポレーションが運営するオウンドメディアです。チャーム・POINTは、「介護で働くリアルを伝える情報メディア」として社員のインタビューや働き方を紹介しています。介護現場の楽しさややりがいなどのリアルな声を紹介することで採用につながっています。
まとめ
本記事ではオウンドメディアの作り方と運営での注意点、オウンドメディア成功事例について解説しました。
オウンドメディアは長期的な運用をしていくことで効果を発揮します。オウンドメディアを立ち上げる目的や自社の人材や予算を、しっかりと分析した上で運用してくようにしましょう。
自社でオウンドメディアを運営していくためには、同じ業種や目的の企業のオウンドメディアを解析することも重要です。今回紹介したオウンドメディアの他にも多数の成功事例があるので参考にしてみてください。
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